書評日記 第4冊
狂風記 石川淳
集英社文庫

 石川淳の本。他に「おとしばなし集」、「処女受胎」なんてのがある。何冊か読んではいるし、おもしろいとは思うのだけど、いまひとつ感想がうまく出てこない著者だ。
 読み始めたきっかけは、安部公房のエッセーで(「砂の女」が有名、ほかにもいろいろあるんだが、ま、別の機会にとっておこう)友人ということで、じゃあと思って探したような気がする。

 私の読書遍歴は、こんな風に、いもづる式にたどっていくので、必ずなんらかのつながりで関係がある。・・・ま、そんなことは、どーでもいいんだけど、んー、いまひとつ石川淳像ってのがつかめないなぁ。
 一番最初に読んだとき、「あ、半村良ばりのSF(妖星伝のこと)だ」と、思ったのを覚えている。
 ちなみに、「狂風記」の内容を明かすと(まだ上巻しか読んでいないけど)ごみためのなかに住んでいる骨を探している男と、あやしい女(どう、あやしいのかは、読んでみてください。)のお話である。って具合に書いてもいまひとつなぁ、おもしろさが伝わらない。おもしろいことは、おもしろいんだけどね・・・んー。

 余談ではあるが(そもそも、この日記自体が余談の固まりだけど)、石川淳と大江健三郎のホームページってのがある。どーしてこーいう組み合わせになっているのかわかないけど、興味のある方はどーぞ。(お、リンクを張ると「インターネット」って気分だね)

update: 1996/05/13
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