書評日記 第13冊
光のロボット バリトン.J.ベイリー
創元推理文庫

 バリトン=J=ベイリーは、ルディー=ラッカーと同じく数学者&SF作家である(と思うんだかなぁ。違ってたらごめん)。
 この「光のロボット」は前作「ロボットの魂」の続編にあたる、いわゆるアイザック=アジモフ亡き後のロボットものである。私は、アジモフのファン(とか云ったら、筒井康隆のファンとか、安部公房のファンとか、士郎正宗のファンとか・・・、いわなくちゃならないけど)なので、ロボットものと言われると1も2もなく買って読んでしまう。ちなみに、アジモフ監修の超駄作「電脳惑星」シリーズ全4巻(?)ってのがあるんだけど、これも一応読んだ。これは、もう、トンでもない駄作であるので、その面白さが理解できる方にはお薦めである・・・が、角川SFシリーズなるマイナーなものなので、角川書店に直接注文するか、古本屋で探して欲しい。
 ま、それは置いといて、ベイリーのこの本も駄作なんだよな、これが。なんというか、「オズの魔法使い」のような結末を期待する向きの方にはそれでもいいんだろうけど、んー、おい、そこまでやってこれか!?ってな感じ。まさか、ベイリー博士(だと思うよ)もこんな東洋の果てでローカルな日本語に訳されて「駄作」呼ばわりされているとは思うまい。

 でも、創元SF文庫で出ている彼の本は、みな読んでいる、というところが私の奇妙なところである。なんかしらないけど<味>がある。「時間衝突」なんてのも全然印象に残ってないけど、なんとなく、そこはかとなく<味>のあるベイリーが好きだ。(んー、ベイリーFANには殴られそうだ。)
 物理学者は物語がうまいけど、数学者は理論に走ってしまうところがある。ラッカーなんて数学理論に暴走してしまうのがいい。ベイリー先生も(あ、とうとう先生呼ばわりしてしまった)もうちょっと飛ばしてくれればいいのに、と思う今日このごろである。

 なんだか、よーわからんけど、ロボットものは駄作であろうが、「ロビタ」であろうが面白いってことです。では、また。

update: 1996/06/10
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