書評日記 第74冊
晴れた空 半村良
集英社文庫

 大日本帝国の敗戦記念日です。間違えてはいけません。「終戦記念日」ではありません。「敗戦記念日」です。
 含みがあるように読める方へ、単純に日が悪いだけです。なんの含みもありません。
 日本は、世界に喧嘩を売りました。いえ、俺が知るところによると、喧嘩を売られ切羽つまったようです。この辺の事情は各自調べてください。日本陸軍が南京で行ったこと、東南アジアで行ったことはさておき、頭の上でピカドンやられて、日本は負けました。
 現在、日本は経済大国と呼ばれています。イエローモンキーと呼ばれています。出っ歯・短足・眼鏡男と呼ばれています。金出します。平和を買います。米軍の飛行機が落ちてもへらへらしてます。強姦されてもへらへらしてます。爆弾おとされてもへらへらしてます。爆音の下でへらへらしてます。
 それだけです。ちょっと、言葉に詰まったので一行休憩。

 半村良の「晴れた空」(集英社文庫)は、そんな戦争直後のお話です。
 俺、この本は、戦後のセンチメンタルを描いた下町ものだと思っていたのですが、どうやら、もうひとつの半村良、つまり、嘘部シリーズや妖星伝を描いたちょっとおどろおどろした陰謀っぽい話の方です。
 内容をごく簡単に説明すれば、「戦争孤児が、戦後の世の中を闊歩するに至る話」です。最後の残酷な場面を除けば、戦争後のがらくたの中を生きる少年達とお母さんとその娘、そして特攻帰りの男が織り成す、希望とそして成功の物語りです。
 さて、これだけでは、「希望」しかありませんが、実は奥深い陰謀が潜んでいます。ま、この辺を描くところが、半村良の半村良たる由縁なのでしょう。成功譚とはいっても、少年達は博打や強請、かっぱらい等から始めます。戦後の世の中でごちゃごちゃしているとはいえ、何も無い彼ら(住むところでさえ、新宿の地下道です)がはじめるのは、まさしく犯罪でありました。しかし、犯罪を犯さなければ、彼らは死ぬしかなかったのです。闇米を食べずに死んだ役人をあなたはどう思いますか。
 彼らは、そんなことをしながら生き抜きました。じめじめして、人死にの出る新宿の地下道から抜けるために、彼らは犯罪そのもの、または、犯罪すれすれの行為で生き抜きました。
 ラストシーンを語ることは、ちょっとルール違反なのですが、象徴的なシーンだけを。特攻帰りの男は、とある男を刺し殺します。そして殺されます。それでおしまいです。あまりにも悲しい結末に泣いた覚えがあります。なんで、そこまでしなくてはいけないのか。俺が、何故かなしいのかは、ちょっと厚い・・・ま、上中下3冊ですから、ちょっとどころじゃないですね。かなり厚い、3冊をお読み下さい。

 さて、ちょっと現実に目を向けましょう。「とほほ日記」が終わっています。俺のせいでしょうか。それほど「影響力」があると思っていない俺、そして「読まれている」と思っていない俺、にとっては、最後の絵が、なかなか刺激的でありました。もし、本当にばうわうさんの「現実の世界」を荒らしてしまったのであれば、あの絵に関しては謝罪致します。すみませんでした。読んでませんよね。失礼いたしました。
 あいにく、「茂平」がいなくなってしまったので、「突込新聞」を作ることができなくなりました。期待した皆様、すみません。もっと強力な、誰かを探します。
 いえ、こんなの読んでませんよね。

 俺、午前4時にメールをたくさん出しました。なんか、焚き付けたような気がして・・・。もうこれ以上、結論を先延ばしにするのは失礼だと思いましたので、同報でメールを出しました。同報って簡単に出せて便利。けど、冷たい。いやですね、こんな方法で出されちゃ。
 ある方から、お叱りを受けました。「そういうことは、日記でやって下さい。」と書かれてありました。まことにタイミングが悪い。俺は、一瞬、1か月前の恐怖を思い出しました。まるで、かみそりのようでした。怒りがそこにこもっているようでした。ですが、2度めだったので、大丈夫でした。御詫びのメールを直に出しました。わかってくれたどうかは、わかりません。これも、1か月前と同じです。ま、あとから、その人のホームページを見て、理解できましたけど。
 これでは、誰だかわかりませんね。「名前を出さないとわからない」とさんざん書いてあるので、出します。野原さん、メールの相手が「ひと」であることを忘れてはいけません。あなた、慢心していませんか。
 それとも、これもGAGなのでしょうか。GAGだったらいいんですけど。
 いえ、こんなの読んでませんよね。

 あと一言。その、弱ったものに追い打ちをかけるようですみません。ただ、こういう事実だけは、ぜひ知っておいてほしい。
 「日記猿人」が発足したとき、ばうわうさんから、御誘いのメールが来ました。「忌憚のない御意見を」と書いてありました。俺は、一日悩みました。で、結局、午後に28番として登録しました。プログラマとして監視しておきたかったのです。
 さて、「忌憚のない意見を」ということなので、ひとつの提案をメールで送りました。ちょっと内容的に問題があったかもしれませんが、怒るようなものではなかったと思います。ちょっとしたジョークはありましたけど。主催者の方々にと思い、3人に同報メールを出しました。で、ばうわうさんと、池川さん、そして、間違って、夜久さんに出してしまいました。夜久さん、すみません。恥ずかしくて嘘つきました。あなたに送ったのは手違いです。でも、せいべいさんの一件、があるので、おあいこということにして下さい。俺の方は気にしておりません。
 夜久さんから、あっという間にメールが来ました。「いやあ、僕は単に参加者だから・・・」云々。そりゃそうです。俺の手違いですから。気を使われたことでしょう。すみませんでした。
 それはさておき、肝心のばうわうさんと、池川さんから返事がきませんでした。あまりにもばかばかしい意見でしたので、黙殺されたのかもしれません。仕事が忙しかったのかもしれません。メールが届かなかった可能性もあります。でも、この一件以来、どうも感じがおかしいと思っていました。
 俺が、夜久さんに荷担したのは、これがあったからです。それだけです。そういうことなのです。
 いえ、こんなの読んでませんよね。

 今回のことで、いろいろな事を知りました。いろいろな事を知らされました。勝手な想像をしてはいけない事を知りました。自分で勝手に落ち込んだり、熱くなったり、勝手に相手を作ってはいけないことを知りました。このインターネットの世界は確かにバーチャルと呼ばれています。しかし、インターネットで公開しているホームページを作っている人達は、みな現実に生きている人間です。感情を持った人間です。傷つくし、怒るし、ちゃんと話が通じるし。現実の世界と同じです。
 ネチケットと呼ばれるものに・・・と、やばい、昨日書いていました。そうとう、これが書きたいらしい。
 いえ、こんなの・・・。

 〆の言葉はどうしようか。
 あのう、これを読んでいる方、メールを貰えないでしょうか。
 なんか、俺、自閉症に見えるらしいですけど。そんなことないんですけど。
 お願いします。妙なつっこみ大歓迎です。

 うーむ、こういう事をするから、誤解されるんだな。

 書評日記、初の追記。
 日記猿人に再登録することにしたぞ。

update: 1996/08/15
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