書評日記 第105冊
サード・ガール 西村しのぶ
スタジオシップ

 最近、再び人の日記を読むようになった。一時期は、その究極の「エッセー」形式に戸惑っていたのであるが、それほど「深読み」をしないようにしてから、読めるようになった。ま、それでもな、時々、とんでもない勘違いをするけども・・・。でも、それってのは、「読者」として素直な読み方をしているわけだから、いいと思うんだがな、俺としては。
 大いに勘違いし給え。確かに、あなた一人に語っているわけではない。でも、あなたに語っていないワケではないのだ。あなたの個人的な状況は、俺が知るよしもない。しかし、あなたが、俺の文章から読み取ることは、あなたにとって必然的な「正解」であるのだ。「正解」は読者が作るものである。だから、「読み違え」というものは、存在しないはずだ。
 どんな小説でも、読み&理解する過程がある。程度の差はあれども、小説家の語るものは、聞く耳を持つ読者であれば、十分に理解できるであろう。そうだと思うんだがな、俺は。

 というわけで、誤解を恐れずに、人の過去の日記を読みました。以前、読んだことはあったのだけれど、その、なんとなく、誤解してしまうことがオソロシクテ。なかなか興味深いです、うん。
 人のリンクから辿るのも面倒なので、俺の参考文献に加えます。

 さてと、本日の一冊なのだが、旅行前なので、3、4日間晒しっぱなしになることになる。あんまり、変なものを掲げておくのも困りものなので、ちょっと考えてたのだが、徒労にすぎず。結局、今日、喫茶店で読んでいた漫画、西村しのぶ「サード・ガール」を送ろう。

 BGMは、訳あって、KEITH JARRETTの「VIENNA CONCERT」。

 さて、西村しのぶは、以前「美紅・舞子」で書いている。どーもな、気になる漫画家であるのよ、俺には。「サード・ガール」は持っていなかったので、只今、読んでいる途中。本屋で新刊を買ってきている。

 以前、聞いた話なのだが、「恋愛をすると少女漫画が読めなくなる」らしい。どーも、そうみたいだね。最近、少女漫画が読めません。その、なんだ、「恋しい」だのなんだのという表現が出てくる(大体、少女漫画にはそれが多いし)と、一歩も先に進めなくなる。漫画の中にある出来事と現在の俺の状況を逐一同化させてしまう。振られた話ならば、振られるような予感を感じるし、惚れた話ならば、惚れるような予感を覚える。ま、こういう情緒不安定な時期だからこそ、そういう「同化」を覚えるのかもしれないが、読み進められないのは確か。
 さて、「サード・ガール」は、同棲している涼と美也と、高校生の夜梨子の三角関係(?)の話なんだな。いわゆる、共働き状態の涼と美也なのであるが、そこに涼の「かわいい」彼女としての夜梨子の存在。美也公認でもありーの、涼は夜梨子に振り回されつつ、夜梨子は安心できる年上の恋人として涼と遊ぶ。ま、そういう意味で、三人目としての夜梨子のお話。

 この歳になって、本とか漫画とかに感情移入するのは、恥ずかしい話なのであるが、俺の場合、敢えて「同化」してみる。涼の立場になってみたり、美也の立場になってみたり、そして、夜梨子の立場になってみたり、する。それぞれの行動と感情をひとつひとつ確かめていくことは、俺にとって楽しい作業であるし、ま、昔から、本を読んでいるときはそういうことをやっているので、今更直せるものでもないし、俺の感覚の養成もあるわけだし、今でも意識的にやる。
 それに、こういった「擬似体験」は正常な生活を送る上で、必要だと思う。
 確かに、本物の「体験」が大切な時もある。しかし、俺は「体験」こそが全てに勝るとは思っていない。なぜならば、「体験」というものは、当然ながら、その時点の自分でしか体験できない出来事であって、その体験による影響は計り知れないものがある。間違ってしまえば、とんでもないことに成りかねない。自らの「欲望」に従うことは、素直であり、その人の安定を保つ上で大切なことかもしれない。しかし、それは場合によりけりであろう。「欲望」のままに走ってしまっては、それは単なる獣にすぎない。だから、「体験」できないところは、「体験」によって、なんらかの危ういものを生み出してしまう場合があるならば、「擬似体験」で補うべきではないだろうか。
 ま、俺の場合、「擬似体験」のしすぎ・・・という感じなのだが。

 そうそう、俺が少女漫画を読むのは、男性でありつつも、女性でありたいと願うため。男性でもなく女性でもなく、といった「中性的」という意味ではなく、男性的な感覚と女性的な感覚を同時に持っていたいのである。ま、尤も、俺の性別は男性であるので、無意識的には男性的に振る舞うであろう。しかし、理性的な部分では、両方の感情が持てる自信がある。だから、男性の見る女性寄りの思考というのではなくて、女性そのものの思考だったりするわけだ、俺の場合は。勿論、それは、個性を持った女性的思考であるから、いろいろ偏りがあるわけだけど・・・。
 その、内部的な彼女が叫ぶわけなんだけどね、時々。ま、今、話すのはやめておこう。想像してくれ給え。

 現実生活では、ギターを弾いている俺。ブルース・ギター、まじで上手くなりましたよ、うん。聴いていて、ちゃんと曲に聞こえるからね。
 そう、その関係で、右手の指の爪を伸ばし始めました。3週間前から、伸ばしっぱなしです。
 常々、女性の長い爪に憧れていたというか、あーいう爪をしていて、時々うっとおしくならないのか?と思っていたわけですが、ま、慣れると意外と平気なもの。ただ、短い時と違うのは、常に指先が火照っているような感じがする。んー、真っ赤なマニキュアをしている姉ちゃん方は、こういう感じを常に持っているわけだ。むう、やべー感覚だなぁ、とかなんとか思うのは、男性だからなのかなあ。
 煙草吸うのは、右手だから、その女性的に吸うことができて、なんか変な感じ。それと、プルトップ、爪がはがれそうで怖いです。キーボードは、それほど不便でないな。あと、耳かきが、なくても便利。

 そうそう、「あぶ・らぶ」で、ちんぽに化粧をしてオナニーをする話があった。
 今度、マニキュアをして、オナニーしてみようか。興奮するかもしれん。
 実験結果は、また後日に。

update: 1996/09/09
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