書評日記 第134冊
ケース・ハード 松本零士

 なーんにも思い付きません。そう、今日は久しぶりに早めに仕事を終えて、午後9時に家に着きました。2週間ぶりに夕飯を家で食べて、TVを見て、ひと風呂あびました。時間があるので何か書きたいのですが、うーむ、何も思い浮かびません。こういう風にすっきりしていまうと、かえって気分がノらないものです。でも、まあ、こういう時こそ何か強引に書いてみるのもいいかもしれない、と自分を励ましつつ、ネタ探し。
 この書評日記、一日のあったことなぞ全然書いていません。俺の昔の日記もそうでしたが、基本的に「日常生活」というものが書いてありません。何故でしょうか。ある意味で、俺にとって「日常」というものは、ひどく詰らないものです。のんのんとした生活を送ってしまうと、その日常の中にうずもれてしまって、その、のんのんとした生活より抜け出すことができなくなるからです。まさしく、それは、俺の恐怖の元です。スキゾイドを自覚する者ゆえんでしょうか。平和さえを憎むことが多々あります。ま、かといって、争いを望んでいるわけではないのです。確かに、人それぞれが仲良く暮らせればそれでいいのかもしれません。「仲良きことは美しきことかな。」と云いますし、和気あいあいが一番です・・・と云う気になれんのだよな、最近。
 人が向上する時に何が必要なのでしょうか。その人が、より大きくなるためには何が必要なのでしょうか。俺は、まあ、「価値観」だと思います。自分の中にある堅・・・。

 う、寝ていた。只今、午前5時。
 なんか、相当、疲れたみたい。Gパンのまま、布団の中で寝てました。学生時代によくやったパターンです。

 なんか、久しぶりに、ホンポーな一人暮らしの頃を思い出しました。そう、今月中には家を出る予定。父親も定年だし、弟は就職だし、今年でうちの家族が一緒にいるのも最後なんですよ。だからなのかな、いろいろじたばたやっているのは。
 ま、なんや、かんや、人生には「転機」があるもので、俺の今年はね、「大転機」でした・・・って、う、まだ2か月もあるのか。まだ、俺はなんかやるのでしょうか。

 あ、そうそう、本日の一冊は、松本零士の「ケース・ハード」をお送りしましょう。所謂、第二次世界大戦もの。戦闘機のドンパチ大好きな松本零士が送る、なさけない日本兵がたくさん出てくる話です。いや、情けなくもないか。男ってのは、孤高でありたいと思いつつも、何故か「仲間」を求めたがる動物です。顕示欲・独占欲・征服欲、そういう「支配」という名に躍らされつつも、「支配」というものを嫌います。非常に矛盾した動物です。そういう悲哀みたいなものが、松本零士の描く戦争漫画にはあります。
 読めばわかりますが、ちょっと蘊蓄。「ケース・ハード」ってのは、レアメタルを微妙に入れ込んだ金属の事で、その鋼鉄は柔軟かつ頑丈になります。例えば、鉄ですが、純粋な鉄原子だけでは、「鉄」というものは出来ません。いろいろな原子が混ざって、「鉄」ができます。そういう泥臭いものが色々交じって、人生強く生きることができる、って意味ですよ。俺がさ、期待に崩れたというか、なんか、やたらに人嫌いになった夜に読んだ漫画です。

 「理想」は理想に過ぎないけどね、でも、それでも「理想」を追うのが、「夢」というものではないでしょうか。ふと、そんなことを思う次第。

update: 1996/09/09
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