書評日記 第160冊
たのしいUNIX 坂本文
アスキー出版局

 なんとなく、「本読み」が主体のホームページや日記が増えて来るのは嬉しい。そう、インターネットって最初はコンピュータ技術者のものだったわけだ。ああ、正確には軍事関係だけどね。で、ホームページもコンピュータ関係の情報が一杯あって、まあ、それはそれで役に立つんだけど、それってコンピュータを扱うだけにしか役に立たないわけ。そのうちGIF画像とかが使えるようになると、「絵」が中心になってきたわけだ。漫研出身でR指定の絵を描いてみたり、いろんな写真をUPしてみたりして、目を楽しませるわけね。でも、まあ、世の中Hなものばかりでもなし、男性ばかりだったインターネットの世界にも女性が参入し始めたわけだ。今でもそうだけど、女性のHPを「女性」だからという主旨で作ってみたり集めてみたりするページもあるわけだが、まあね、だんだん、そういう妙なコダワリが無くなってきていい感じ。音を出したり、映像を流したり、そういう派手さはないけど、こういう「字」の文化ってものは、「言葉」に直結している感じで、とっても気持ちがいい。性別に関係なく参入できる分野だと思うわけだ、俺としては。
 そう、リンク集を整理しました。まあ、書評日記なんて書いている関係で「本読みリンク」を充実させたい次第。そうそう、玉越さん、頑張って下さい。10こぐらい溜まったらリンク集に加えます。でもなあ、コンピュータ書籍だけならべられても困るんだが・・・とかなんとか。

 んで、本日の一冊は坂本文「たのしいUNIX」を紹介しよう。ま、彼にあやかってということか・・・。
 UNIX関係を触っている人は誰でも知っていると思うのだが、うーむ。どうなのかなあ。
 「コマンドライン」というふるーいタイプのユーザー・インターフェースは知っていますよね。UNIXは未だ(?)にそのタイプです。まあ、使ってみるとそれほど悪い感じがしないのは、俺がMS-DOSの時代から入っているからなのか、よーわからんけど、viとかemacsの方がメモ帳やらWZやら秀丸やらよりも使いやすいと思ったら、オシマイですね。ははははは。俺がそうですから。
 さて、内容は、ま、UNIXのコマンドの説明が書いてあります。ただね、なんつーか、とってもやさしいわけです。書き方が丁寧なのか、初心者が一番知りたいことを頭にもってくる親切さというか、まあね、俺もこの本でUNIXの勉強をしました。

 そもそも、コンピュータの世界なんてのは、相互に知識を交換して交流をもって、協力して更に性能の良いソフトを作る、使いやすいものを作る、理論を作る、そういう「自由」な精神が根底にあったわけですよ。だから、コンピュータに対する操作が今よりもずっと不便だった頃、仲間に教えて貰うとか教えるとかいう知識の交換は重要だったし、それが当たり前だったわけ。
 まあね。こう、ソフト自体に金が絡んでくると、「知的所有権」とかいうのが発生して、自分の持っている知識をあまり公開しないようになる。そこがね、俺にとっては、まあ、ソフト関係に失望してしまった理由なんだけどもさあ、それは「仕事」だし。ぼちぼちというところ。

 んで、再び、インターネットは「文字」の世界になってくるんじゃないかなあ、とか思うわけだ。一番簡単だからね。こうやって、キーボードを叩いているだけで、どんどん自分の考えを映し出せる。そして相手もそうする。読む。読まれる。当然、伝えたいことがあれば、伝わる。そういう関係を俺は欲しているわけだ。
 そこは、ほれ、「人それぞれ」なんだし、自分のHPなんだけどさ。でも「頑張ってくれよぉ」っていう期待を掛けるのは、無意味なことじゃないでしょう?ま、そんなところ。

update: 1996/12/04
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