書評日記 第39冊
時間不動産 草野仁
ハヤカワ文庫

 昨日は、阪大漫研のOB会であった。大学に7年もいたけど、漫研に出入りしていたのは、入った当時の3年ぐらいだよな。でも、OBの人にはなんか知られている俺。原子力学科の大学院を(一応)合格したのに、ぽかをして留年。その次の年は、その単位だけ授業に出て(卒論も出し終わっていた。)、なんか大学院を卒業しても30才になっちまうのはやりきなくて、勉強をさぼって(一応、試験は受けた。蹴るほど強くはないし。)今度は大学院に落ちた。10月末に株式会社SECというプログラム会社に面接に行って、拾われて、現在入社1年とちょっとか。今年で28才か。んー、なかなか感慨深い。

 はーい、俺のプロフィール。簡単ではありますが、わかりましたね。あちらさんも、こちらさんも、そちらさんも、どちらさんも、納得いただけましたか?
 もうちょっとしたら、プロフィール(書物編・お絵描き編・プログラマ編)を書(描)く、つもりなんで、それはちょっと待ち。

 Drせんべいから、「おーもーいーぞ」(文面、かーなーり、意訳あり)のメールが来た。このテの技術的なメールは、ありがたい。ちょっと、時間がなかったので(昨日は、OB会でくたくただった。俺、カラオケは嫌いなんだが、カラオケをしている人を見るのは好きなんだ。ぞうさんが、浦の声(ガンダムF91の歌だったと思う)に聞き惚れていたぞ。どうやら、まじでソフトの主題歌とかにのせることを考えているらしい。んー、これ完全に船井への私信。)今日から、1日1ページにすることにした。まー、連続読みをしやすいように、とも考えていたんだけど、(最初の方は、文章が少ないからそれでもよかった。)1週間もたまってくると、悲鳴をあげそうなぐらい重い。前後の関係があるわけでもなし、じゃあ、ぺー大槻(スタイルが、前の(?)に戻っている。よかった、よかった。)タイプに1日1ページにしても、問題はあるまい、ってんで、とりあえずはこの形式。バックナンバーの方は、今週中にperlを使ってでもして、ばらばらにしていきます。これで、少しは読みやすくなりますね、明美似さん。
 そうそう、留学生にバグレポートを出した。「責任感じてます。」ってのはそーいう意味なのかもしれないし、俺の自意識過剰なのかもしれない。まー、俺のことはどーでもいいが、これで彼のところの日記も読みやすくなるだろうて。(でも、「占い」が動かなかったのは気のせいか?)

 江口さんの日記のようななぐりがきで、『続・HTML入門』(この本、持ってます。プログラマなんで通読しました。役には立つんだけど、重たいのが難点だ。総ページ数563ってのは、電車の中で立ち読みってわけにはいかないぞ。)の引用をしている方がいた。俺と同じところが気になっているらしい。ブリンクはなあ、確かに俺も嫌いなんだけど、「嫌い」って言い切っちまうと、ブリンクタグをつけている方々のすべてを敵にまわしてしまうし、それらのホームページを見ることができなくなるので、「あんまり、好きじゃないよなぁ」なぞと、「大人」の発言をしてみる。でも、ローカルに落として、ブリンクタグを置換ではずしてしまうと、いいわけだし、その辺は、ま、あんまり気にしないことにしている。
 それよりも、だ。「効果的でないボールド」タグはやめておいた方がいいと思う。日本語の場合、強調は傍点でするのが普通(最近は、ゴチックを使うところも増えている。これは、コンピータで活字を組むようになったこととは無縁でない。)だけど、HTMLの場合には傍点タグがないから、ボールドタグで代用するのだけれど、日本語の場合それほど「効果的」には見えない。(そもそも、俺のコンピータ環境がゴチックで統一されているので、ゴチックが多少太くなったところであまり目立たない。)だから、色を変えるか、大きさ(ただし、あまり大きくしてしまうのも、行間を考えると考えものだし。MSWin95のエクスプローラというブラウザでは、行間を選べる。ネットスケープも選べるといいな、と書いておこう。)を変えることになるんだろうけど、あんまり、あれこれ制限を作ってしまうと「おもしろくないホームページ」ばかりになっちまうから、これはなんとも言えない。それぞれが、それぞれなりに気をつけておくしかなかろう、ってのが「続・HTML入門」を読んだ感想なんだが、「プロ」のプログラマから見るとそんなもんだろうか。
 ちなみに、「プロ」のデザイナーから言わせると、「WEBのページは、まだまだ、改良の余地がある。」だそうである。俺なりに意訳すれば、「WEBのページ作成には、まだまだ、金が転がっている。俺達に仕事をまわせ。」だそうである。俺のページは、ださださ&媚び媚びを目指しているからいいけど、企業のホームページとかは大変だよな。個人的には、味の素のホームページは、なんかいい。(牧瀬里穂をCMで使っているというから説もあるが。)ま、この会社の過去は問わないことにしてだが。

 ちなみに、俺の「100冊」の難点は(愛煙学生、どうやら100冊と間違えたらしい。)、「文章が横幅いっぱいで読みにくい。」ってのと、「ネットスケープ1.1では真っ青になる」ってことぐらいか。(もちろん、「重い」とか「口が悪い」とか「長すぎる」とかいうのもあるけど・・・、あと「括弧が多すぎる」ってのもあるな。これは、おいおい話すつもり。)前者の方は、BLOCKQUOTEタグをつけては見たのだが、スキャナの絵とあわせるとなんか変だったのでやめた。これは、横幅を縮めることでなんとかしてくれ、いや、お願い致す所存です。ソースを見るとわかるけど文章は、横幅40文字以上にならないように気をつけているから、エディタで見る分には、ま、読みやすいし、検索もしやすいと思う。(そーいう点で、よろずやのおやじんとこは、あかんかったのかな?)
 後者の方は、はっきりいって予想外だった。俺は、文字どおり真っ青になってしまったわけだ。ただ、どうやら、1.1バージョンでは、BODYタグのBGCOLORパラメータを正しく認識していないことが原因らしい。まあ、これから、3.0というときに1.1でもないだろう、ということで、その方はかんべんしてくれ、いえ、して頂きとう存じます。

 あー、本編の「書評日記」がどっかにとんでっていまってるじゃないか。草野仁著「時間不動産」(ハヤカワ文庫)が、遥か上の方にいっている。(今、ネットスケープの横幅をいっぱいにしてみたが、無理。ちらとも見えない。)

 さて、この草野仁、TVの「歴史不思議発見」(だったと思う。)という野々村真がいつまでたっても坊や扱いされている番組の司会者ではない。TV番組欄を見た時、どきっとしたのだが、SF作家の草野仁が昭和34年生まれであることを見れば、まあ、違うだろう。
 デビューは、30才ってのを覚えているから、この文庫の発行年度から見て、1986、7年ぐらいだったと思う。俺が、高校生のころに、最後の「ショートショート」SF作家としてデビューしたはずだ。その後ぐらいから、剣と魔法のファンタジーブームが始まったから、日本のハードSF界が衰えてしまった記憶がある。別に、ファンタジーが悪いわけではないけれど、ハードSFを衰退させていいとは限らないぞ、ハヤカワさん。(ってのは、前やったな。)
 草野仁(くさのじん)の話に戻ると、この人のSFは、正真正銘ショートショートSFなのである。星新一しかり、筒井康隆しかり、豊田有恒しかり、横田順弥しかり、いろいろなSF作家がショートショートSFを書いてきたが、それらを読んでSF作家になろうとした、純正のSF作家だと思う。この表紙が、なんで吾妻ひでおの絵なのか理由はわからない。ま、あんまり理由はないのかもしれない。草野さんのSFはこまごまとしたところに気を配っていて、つじつまがあっていて、ショートショートとしておもしろく、やっぱりSFっていいなあってな感じがする暖かいSFである。最初の10冊ぐらいまでは、立て続けに出版されたと思う。そのあとで、ぱったり、出なくなってしまった。何か理由があったのかもしれないし、別になかったのかもしれない。比較的最近と思われるものは「よろず直し屋」というファンタジーと、「ウィデングドレス戦争」(だったけ?)という女性上位社会を扱ったどたばたSFを書いている。
 彼の注目すべきところは、先にも書いたが、「最後の正統ショートショート作家」であったことだろうと思う。ショートショートは難しい。なのに、金にならない。ってのは、星新一が毎度なげいていた言葉だ。今でこそ、4こま漫画が盛んだから食えるようになっているけど(食えるんだろうな、やっぱり。秋月りすとか、結構描いているし。)、ページ数=原稿料だったときはひどかったらしい。だらだらだらだら、書いた方が金がもうかるのではたまったもんではないだろう。『ショートショートってのは、いくら短くたって起承転結がつまっているから、1本作ればアイデアはそこで使い捨てられる。』ってのは、かなり意訳ではあるが、星新一のエッセーにあった言葉だ。

 実は、プログラマもそういうところがある。1ステップなんぼ、という考え方が「いまだに」ある。まー、それぐらいしか、検査の基準がないわけだから(内容といったって、それを調べることもできないし、どれだけ高度であるか、どれだけ愚鈍であるかなんてどうやってわかる?)そうするわけなんだけど・・・。
 ま、それ程、俺は深く考えているわけではないけれど、人の評価ってのは、ま、難しいよな、実際のところ。

 んー、なんか、〆が悪いけど・・・。そうそう、個人的な日記を書きはじめた。ちったあ、「ガス抜き」しとかないと、「書評日記」が書評じゃなくなってちまうし。ま、そんな、こんなで、また明日。(しかし、長げー日記。)

update: 1996/07/07
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