書評日記 第67冊
快男児 押川春浪 横田順彌&會津信吾
徳間文庫

 出だし、いろいろ考えたんですけど、パソコンの前に座った途端、すっかり忘れてしまいました。広瀬正の「マイナス・ゼロ」を読んでるのですが、出だしは半村良の「晴れた空」のよう。タイムマシンということで「キテレツ大百科」を思い出しておくのは、押さえか。そのうち「エロス」も読むだろうし、解説の星新一にほっとしたり、してしまいました。
 ところで、官の字、なんで同じところに出没するのか。よろずやから飛んでから、1か月経ちました。俺の参考文献の末尾です。ま、長い目でご覧ください。俺、ゆるゆるやっていきますから。そ〜のうち、なんとか、な〜るだ〜ろ〜おぅ。(うわっはっはっはっは。)

 さて、広瀬正は、俺にとっては初めての作家なので、どういう小説を書く方なのかよくわかりません。ま、その辺は先達ドモに任せるとして・・・。
 本日の一冊は横田順彌&會津信吾の共著「快男児 押川春浪」(徳間文庫)です。とりあえず、異才シリーズの第一冊とします。

 以前、少女漫画シリーズとして、4冊ほど掲げたけど、覚えておられる方はいるまい。というわけで、22冊めあたりからやってますので、まだの方はどうぞ。んー、これだけ続けていると自己参照もしやすい。と、と、と、そこを押すのはちょっと・・・あー、いっちまった。気が早いんだからもう。(っていうのは、以前からやってるな。(これぞ「差異と反復」(しかもネスト)))

 さて、諸嬢には理解し難いかもしれないが、諸君には解るかもしれないし、わかんないかもしれない。男子たるもの、「バンカラ」に生きねばならんのである。酒を飲まんでどうする。日本酒に、一ノ蔵、菊水、天狗舞、石川、男山、玉の光、美少年、一ノ娘、秋鹿、などなど。大関やら、月桂冠やら飲んでちゃあ味覚が劣るよ、死んじまう。三倍醸造なんて捨てておきなさい。料理酒にさえ(だからこそ)使えない。
 えーと、別に酒の話は関係なし。ついでに云えば「夏子の酒」とかも関係なし。
 話を元に戻すと、押川春浪は、それはもうむちゃくちゃをやった人である。野球雑誌を出版したり、「海底軍艦」というSF小説を明治33年に書いていたり、無銭飲食旅行を企画したりしている。5年程前に読んだからこの本の内容はほとんど忘れてしまったけど、ま、雑誌に野球に元気な人だったわけだ。
 「海底戦艦」は少年冒険小説全集(という名ではなかったと思うが)とかいう、昔の少年向けの小説(海野十三とか、江戸川乱歩とかの「ジュブナイル」)を集めた中の一冊に含まれている。「紺碧の艦隊」を彷彿とさせるのだが、もちろんこっちの方が元ネタ。これは荒巻義雄本人が語っている。ま、どちらかと云えば、「海底」の方がトンでもなさは多くて、大和をしのぐ戦艦には最新兵器がどっちゃりなのである。よく子供が描くロボットになんやらかんやらの武器がついているのだが、これもそんな感じ。しかも、その解説は必ず「読者諸君には、申し訳ないのだが、これは極秘情報にて解説できないのである。」と記されている。さらにだ、毎回毎回、引きを作るのは今のアニメと同じ。常に「次回を刮目して待て」なのである。この辺のむちゃくちゃさ加減は、おおのやすゆきがかなり近い。

 えーと、肝心の本のことがどっかにいってしまったが、まあ、こんな内容と思えば当たらずとも遠からず。押川春浪の人となり、そして、横田順彌の蒐集振りが窺える。
 ちなみに、横田順彌は、彼に憧れてSF作家をやっているらしい。以前も書いたが「はちゃはちゃ」(将棋用語で「敵味方入り乱れている様」という意味だそうな。)ものを書かせれば、随一かもしれない。ただし、もう歳なもので、その辺、うまくいかない作品も多いのがちょっと残念。最近は、それを自覚してか、解説ものを多く書いている。

 こらこら、そこな愛煙学生、勝手に疲れてたら、あかんでぇ。
 ま、蕎麦屋も熱だしてるんだけど・・・。

update: 1996/08/07
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