書評日記 第113冊
キッチン 吉本ばなな

 最近の「書評日記」、愛情のばら撒き状態なんで、ちょっと気を引き締めましょう。いろいろね、私生活がややこしいもんで、オナニーもままなりません。そう、かれこれ1週間ぐらいやってないでしょうか。そのためか解りませんが、毎朝、朝立ちはありますね。そう、6年以上なかったのに。
 えーと、ひとつ気付きました。それほど「性愛」が特殊なものでないことが解りました。「性愛」ですら、いや、「性愛」だからこそ、ひとつの愛情表現であり「言葉」と同様なわけです。なんか、ひとつ安心しました。そう、云っておきますが、俺、28歳で「童貞」であります。いろいろ、機会はありましたが、今んところ、女性といたしたことはありません。そう、男性もありませんね。
 で、2人は吃驚なさったようですが、1人の女性は、淡淡と聞いて下さいました。いや、そんなもんじゃないの、とごく普通に。なーるほど、納得いたしました、俺。笑って下さってありがとう。感謝致します。いや、まじに。

 さて、28歳の童貞&独身男性は、いろいろね、欲求不満が溜まるわけ。別に運動に昇華させるとか、楽器に昇華させるとか、健康的に昇華できればいいのですが、いえ、性欲として素直に昇華させてもいいんですよ、うん。ただ、ま、俺としては、ただ単に「セックス」を致すだけでは面白くないわけ。肌の暖かみの方が好きらしいから、えーと、その、この歳で云うのもなんですが、あんまりしたくありません。機会があれば、ってとこでしょうか。
 んでもって、性欲自体はオナニーで流してしまうとして、その他の創造力みたいなのが、そう、高まってしまうわけですよ、俺の場合は。ちょっとね、気になることがあって、思わずはじめてしまいました。突っ走ったような感じもするし、ま、誰が読んでくれるわけでもないかもしれないけど、ちょっとね、こういう日記ウォッチングの仕方もあるってことで。神話風に「日記物語」なんてのを始めて見ました。この際、体裁は全然気にしていないので、読むときはブラウザの横幅を縮めてみて下さい。
 一応、「指輪物語」のパロディね。更新は、毎日できるでしょう。書き溜めもするし。そう、なんといっても、俺の書くスピードはものすごく早い。タイピングが早いせいもあるけど、あの程度ならば、30分ちょっとで書き上げてしまいます。連載小説ってことで、気に入ったならばどーぞ、お読み下さい。

 さてと、またもや本日の一冊が押されてしまいました。吉本ばななの「キッチン」です。映画になっているはずですが、観ていません。小説の方は、随分前にベストセラー扱いされましたが、俺、基本的にベストセラーを避けるようにしてあるので、読んでいませんでした。ま、たまーに、こういうのもいいんじゃないかな、と思って買ったわけです。
 あらすじは、えーと、話すのはやめましょう。薄い本なので、あっという間ですよ。しかも、意外と、いや、まじめなはなし、面白い作品でありました。こういう感じで「恋」が始まるってのもなかなかいいもんじゃないでしょうか。
 そう、このテの恋愛もので、ひとつのポイントは、「セックス」に至るから至らないかでありましょうか。主人公の彼女は、不幸な環境にある彼に惹かれるわけです。彼は、唯一の肉親の死に対して、孤独に耐えられず、「死」を意識するわけです。そんな、彼に対して、女の子はタクシーで彼のもとへ「カツ丼」を持っていく。なにも考えず、運命ともいえず、それは、ただ単にそういうものなわけです。そして、泥まみれになりながら、彼の部屋にたどり着く。彼女は、熱いお茶を飲み、彼はほんのり暖かいカツ丼を食べる。そして、別れる。彼女がやれることはそれぐらいしかできないわけです。
 結末は、そう、彼は彼女に会うわけです。
 (あ、結局、喋っちゃった。)

 いや、その、妙に感動しました。ベストセラーになるわけですね。そう、映画になったわけですよ。皆の心に響くものがあったから、ベストセラーになったわけです。うん、うん、なるほど、俺は、いい作品に出会えました。

 さて、久々に〆の言葉といきましょうか。
 「そういうわけで、今日はオナニーができないのです。」

update: 1996/09/09
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