書評日記 第572冊
恐竜家族 ジム・ヘンダーソン
アメリカTV

 午後から渋谷へ。西部百貨店で半袖シャツと半ズボンを買う。たばこと塩の博物館は100円。一時間以上巡る。原宿へテクテクテク。GAPでシャツを買った後、裏側の商店街を歩く。そのまま表参道を上って下り。南国酒家まで戻って夕食を取る。そして帰宅。
 家計簿を付けていないので月額幾ら食費が掛かっているのかを私は知らない。エンゲル係数がどの位、残業無しでの仕事が暇な時にはどれだけ厳しいかを私は知らない。本代もどれだけ掛かっているのかも知らない。メーリングリストでは新刊を買えなくて図書館で借りる人が多い。買うまでもない本がたくさんあるのか、それとも家に本が溜まるのが嫌なのか。まあ、図書館を利用しない私は税金を余分に納めている、ということなのか。「あたしンち」と新潮文庫で出たブラッドベリの新刊で1700円也ちょっと驚いた。
 
 夜中に教育テレビで放映されていた「恐竜家族」が終わった。終わったとはいえ最近番組っているのは再放送なので、最終回がアレであったのは(人づてに)知ってはいたのだが、やっぱり氷河期が来ておしまいという終わりは唐突であった。
 「レッド・ドワーフ号」はBBCの下ネタ&政治ギャクの非常にイギリスらしい路線なのだが、「恐竜家族」はインサイダーっぽい皮肉ネタとパロディネタの如何にもアメリカらしい路線を貫いている。同様に「アレフ」や「フルハウス」のように家族がベースとなって繰り広げるコメディ番組もある。ただ「恐竜家族」の場合、恐竜のあからさまな擬人化と擬人化だからこそ大ぴらにできるパロディが際だつ。恐竜の表情が妙に人間臭い。人間臭いのだが人間ではないから漫画ちっくに表現を簡易化単純化極端化肥大化することが出来る。環境問題に無頓着で消費者の立場を考えず立ち振る舞うウィセイソー社、そこに勤める恐竜パパ、恐竜パパの同僚のロイ、恐竜ママの友人、テレビキャスター、スノッブな子供番組、麻薬問題のパロディ、子育てのパロディ、宗教のパロディ、様々なパロディが恐竜家族という世界に焼き直される。深く考えさせる意図はあるのかないのか(その点はアメリカらしいあからさまな問題意識&正義主義を持ってはいるが)全てを一旦擬人化させてしまうところでいつもの顰めっ面を逃れている。
 まあ、そんなことはどうでもいいか。子供番組という名目にしては面白い。子供番組という名目を外しても面白い。玖保キリコの「シニカル・ヒステリ・アワー」のようなもの、「ピーナッツ」のようなもの、なのかな、ちょっと方面が違うか。「フルハウス」ではちょっぴり鼻に付くところが「恐竜家族」ではうまく逃れられていると思う。「グレッグ&ダーマ」はだんだん面白くなるから不思議だ。にしても夜中の番組ばかりで寝不足になる。ビデオを撮ればいいだけどね。

update: 2000/07/20
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